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2021.06.18偶然の名前
ちょっと堅い話を一つ。
朗らかの「朗」を使った句で「天朗気清、恵風和暢」をご存知ですか?
「天は朗らかに晴れ、空気は澄みきっていて、そよ吹く春風はおだやかにのどかであった」。
賢人 王義之の書(蘭亭序)。
「春風」はともかく、まさに本日の神谷町の様子です。
王義之は、永和九年(西暦353年)、山陰の蘭亭の集まりの様子について記しました。
その前段には「琴、琵琶、笛、笙、管、弦などの音楽の賑わいこそ無い」との静かな様子が描かれています。
ただ不思議なことに、本来、記してもよい「鼓(つづみ)」がありません。
「何か暗示があるのではと…?」と個人的に不思議に思う「気になる書」なのです。
もしかするとその蘭亭では「鼓」の音だけを静かに奏でられていたのかも知れません。
美術館にてその書を久しぶりに見たのが「3月」。
その月から協会の仲間になったBさんのご子息のお名前(鼓太朗 君)に、その「鼓」と「朗」があることを昨日知りました。
王義之を意識し、名付けたか否かはわかりませんが、さすがBさんですね。
流行りの「キラキラネーム」に比べ、
”たろう”という名付けは、近年、よみやすいだけでなく日本の伝統的な美しさが感じられ人気上昇しているようです。
2020年1月2月生まれの「たろうネーム」首位は、まさに「こたろう」。
2019年のよみランキングでも82位にランクインしているそうです。
数十年前にそれを想定していたとは...、王義之の如くの知恵者であるBさん、時代を先取りしているようです。
(本日の担当:k)