二酸化炭素地中貯留技術研究開発
事業報告Business Report
二酸化炭素地中貯留技術研究開発
（１）岩野原モニタリングWG
二酸化炭素1xbet 最速銀行振込 出金実証試験およびモニタリング
1． 研究開発の概要
1xbet 最速銀行振込 出金実証試験およびモニタリングは、我が国の地下深部塩水層（地下水により飽和された地下深部の砂岩層など）に対して、実際に二酸化炭素を地中に1xbet 最速銀行振込 出金して、その挙動を観測（モニタリング）することにより、地中における二酸化炭素の貯留メカニズムの理解を得るとともに、既存技術（資源工学等）の二酸化炭素地中貯留への適用性を検証することを目的に実施しました。
【研究開発の経緯】 |
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二酸化炭素1xbet 最速銀行振込 出金の全体概要
2． 研究開発内容
2．1 1xbet 最速銀行振込 出金実証試験地点
1xbet 最速銀行振込 出金実証試験地点は、新潟県長岡市南西部の信濃川支流渋海川左岸に位置する帝国石油（株）南長岡ガス田の岩野原基地を借用しました。1xbet 最速銀行振込 出金対象の貯留層（地下深部塩水層）としては、深度約1,100mに分布する前期更新世灰爪層の砂岩卓越部を選定しました。貯留層は全体としてドーム状の背斜構造をなし、1xbet 最速銀行振込 出金はその翼部（地層の傾斜部分）に行いました。
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2．2 坑井の配置とモニタリング
実証試験地点では、1本の二酸化炭素1xbet 最速銀行振込 出金井を中心に3本の観測井（二酸化炭素モニタリングのための坑井）を配置し、二酸化炭素の到達を1xbet 最速銀行振込 出金井からの距離に応じて複数回確認でき、さらにその後の経時変化を捉えられるようにしました。
観測井を利用して以下のモニタリングを二酸化炭素1xbet 最速銀行振込 出金前から開始し、二酸化炭素の1xbet 最速銀行振込 出金期間を経て平成20年3月まで観測しました。これらのモニタリングにより、地中の二酸化炭素の貯留状況が把握されました。
[モニタリング項目]
- 圧力・温度計測
- 坑井間弾性波トモグラフィ
- 物理検層
- 試料採取・分析（平成17年度）
試験地点の坑井配置とモニタリング
弾性波トモグラフィ結果：二酸化炭素の分布を弾性波速度の低下域として画像化
2．3 シミュレーション・スタディ
観測されたデータのヒストリーマッチングによる最適貯留層モデルにより、1xbet 最速銀行振込 出金した二酸化炭素の現状の貯留状況と1000年後までの長期挙動についての予測計算を行い、浮力を駆動力とする二酸化炭素の移動は極めて小さく、二酸化炭素は実証試験地点の近傍に長期間貯留される、との予測が得られました。
シミュレーション・スタディによる溶解二酸化炭素分布の変化（[左]1xbet 最速銀行振込 出金直後＆[右]1000年後）
3．まとめ
長岡における二酸化炭素の1xbet 最速銀行振込 出金実証試験により、地下1,100mの地下深部塩水層に我が国で初めて、また陸域の地下深部塩水層としては世界で初めて二酸化炭素が貯留され、我が国における二酸化炭素地中貯留の実現性が示されました。
坑井掘削から二酸化炭素1xbet 最速銀行振込 出金にかけての貯留層の性状の把握のための調査・試験、および二酸化炭素1xbet 最速銀行振込 出金中から1xbet 最速銀行振込 出金終了後にかけての二酸化炭素貯留状況の把握のためのモニタリングとシミュレーション・スタディにより、地中における二酸化炭素貯留状況についての理解が大きく進展し、坑井の掘削から1xbet 最速銀行振込 出金設備の設計・施工、1xbet 最速銀行振込 出金、モニタリング、シミュレーション・スタディにいたる一連のプロセスにより、資源工学等の既存技術の二酸化炭素地中貯留への適要性が実証されました。
（２）想定モデル地点調査WG
1．研究開発概要
地中貯留技術は、地理的に広がりがあるとともに、排出源からの二酸化炭素の分離･回収、二酸化炭素の輸送および貯留層への1xbet 最速銀行振込 出金という多様な技術分野を総合したシステムです。
想定モデル地点調査では、各設備の1xbet 最速銀行振込 出金･スタディを通じて実適用時のシステム･イメージを策定し、その上で二酸化炭素排出源ごとの排出量と稼動状況、設備設置のための用地･用役、輸送ルート状況等の条件を明らかにし、想定地点での実施に関してシステム構成上の技術課題を抽出し、解決方法を検討しました。
想定地点としては、貯留層に関する諸データが豊富で、かつ、近隣に二酸化炭素集中排出源のある複数のモデル地区（北海道および新潟地区）を選定し、二酸化炭素地中貯留の実適用を想定した1xbet 最速銀行振込 出金･スタディを行いました。さらに、1xbet 最速銀行振込 出金･スタディにより抽出された技術課題を実証的･実務的に解決することとし、優先順位の高い二酸化炭素パイプライン輸送設備および、圧入性評価技術を中心に検討しました。
また、二酸化炭素1xbet 最速銀行振込 出金量の数量効果の影響を評価するため、北海道･新潟地区よりも大規模な排出源の集中する地域2地区を対象として分離･回収から輸送、1xbet 最速銀行振込 出金までのシステム･イメージを策定しコストを検討しました。
2．技術課題の解決策検討
抽出された技術課題の内、優先順位の高いもの（輸送設備および1xbet 最速銀行振込 出金設備）について、実証的・実務的に解決策を検討しました。
2.1 二酸化炭素輸送設備に関する検討
パイプライン輸送に関して、国内および海外の法規制について調査し、技術的最適化および、安全性の検討を行い、実適用に向けた課題解決の計画案を策定しました。
主要課題は、適用法規の統一・安全対策・高圧化輸送による低コスト化の3点です。
2.2 1xbet 最速銀行振込 出金設備・貯留に関する検討
海底下の約12km四方、深度約1,000mから3,000mの地層を対象とし、現時点で把握されているデータを用いて、二酸化炭素1xbet 最速銀行振込 出金の数値シミュレーションを行い、1xbet 最速銀行振込 出金性能・1xbet 最速銀行振込 出金可能量に対する地層パラメータや1xbet 最速銀行振込 出金井の設計の影響について検討し、最適1xbet 最速銀行振込 出金計画を策定しました。その結果、以下の結論を得ました。
- 想定モデル地点では、2本の大偏距掘削（ERD：Ext1xbet 最速銀行振込 出金ded Reach Drilling）井により計100万t-CO2/年のレートで25年間連続圧入が出来る可能性がある。
- 1xbet 最速銀行振込 出金された二酸化炭素は、浮力により徐々にアップディップ側に移動するが、残留ガストラッピング効果により、1,000年経過してもその移動はかなり抑制される。
- 25年間の1xbet 最速銀行振込 出金量は、砂岩の絶対浸透率、1xbet 最速銀行振込 出金井の仕上げ区間長、相対浸透率曲線によって変化する可能性がある。
地層パラメータや1xbet 最速銀行振込 出金井の設計により、1xbet 最速銀行振込 出金性能・1xbet 最速銀行振込 出金可能量が大きく異なってくることから、事前調査手法・解析手法の改良を行うとともに、地層パラメータの調査・評価に関するノウハウを蓄積することが必須であることがわかりました。また、国内の立地条件を考慮した場合、沿岸地域に掘削基地を設け、海底下に1xbet 最速銀行振込 出金することが効果的であることから、大偏距掘削（ERD）の技術力を向上することが必要であることがわかりました。
2.3 大規模排出地域を対象としたシステム・イメージ策定
過年度において北海道･新潟地区で採用した手法をさらに広く、複数の大規模排出源が隣接する地域に適用してケーススタディを行い、コストに対する規模の効果を検討しました。
（1） A地区
A地区では、合計700万t-CO2/年および2,300万t-CO2/年の2ケースについて複数の排出源(発電所、製鉄所、石油化学工場)から二酸化炭素をパイプラインで輸送し、ERD井で海底下に1xbet 最速銀行振込 出金するシステムを検討しました。
坑井数は、700万t-CO2/年のケースで7本、2,300万t-CO2/年のケースで14本とし、コストを最小とするように排出源と1xbet 最速銀行振込 出金サイトをパイプラインで連結した結果、トータルコストは、過年度において検討した北海道・新潟の4地点（いずれも100万t-CO2/年）と比べて、低い値となりました。
(2) B地区
B地区では、製鉄所および発電所からの1,000万t-CO2/年、500万t-CO2/年の二酸化炭素を船舶・陸上パイプライン・海底パイプラインで輸送し、坑口装置を海底に設置して1xbet 最速銀行振込 出金するシステムを策定しました。
1,000万t-CO2/年のケースは、坑井数を5本とし、3箇所の排出源から集めた二酸化炭素を液化してタンカー輸送した後、再度、気化して海底パイプラインで坑口まで輸送することとしました。500万t-CO2／年のケースは、坑井数を3本とし、2箇所の排出源からの二酸化炭素を気体のまま海底パイプラインで坑口まで輸送することとしました。
トータルコストは、過年度において検討した北海道・新潟の4地点と比べて、1,000万t-CO2/年の場合は同等、500万t-CO2/年の場合は低い値となることがわかりました。
3．まとめ
これまでの調査を通じて、日本国内における二酸化炭素地中貯留の具体的なイメージを策定し、1xbet 最速銀行振込 出金・スタディを実施しました。
| (1) | 日本に特有の立地条件に応じた検討を行い、実適用における技術上の課題を整理しました。 |
| (2) | 分離回収、輸送、1xbet 最速銀行振込 出金、貯留の各工程における諸パラメータが貯留コストに及ぼす影響を試算しました。 |
| (3) | パイプライン輸送に関する技術指針、1xbet 最速銀行振込 出金可能量評価手法等、重要性の高い課題を中心に解決に向けた調査研究を実施しました。 |
本調査で得られた成果を実適用に向けて集約し、早期に実現可能な地域において適切な規模で具体的に二酸化炭素地中貯留プロジェクトを計画していくことが今後の課題です。
二酸化炭素地中貯留の全体システム構成例