外務省邦人テロ対策室からのお知らせ-海外安全対策便り(第11号)-

カテゴリー:安全対策支援室 更新日:2023.03.20

今回は、イスラム教のラマダン月とその期間中の安全対策についてご紹介します。

■ラマダン月における安全対策
■ゴルゴ13からの伝言
■今週のチェックリスト

ラマダン月における安全対策

3月下旬から、イスラム教にとって1年で最も重要な時期の1つであるラマダン月が始まります。

あれ、去年のラマダンは4月からだったような・・・。はい、その通り、イスラム暦(ヒジュラ暦)は、月の満ち欠けに基づく太陰暦を採用しており、1年の長さは約354日になるので、365日で構成される太陽暦のカレンダーから年に11日ずつほどずれていくのです。そのため、今年は、おおむね3月22日がラマダンの開始日になるようです。

ラマダン月には、イスラム教徒はどのような過ごし方をするのでしょうか。まず、よく知られているように、日の出から日の入りまで飲食を断つことが義務とされています。喫煙や性交渉といった欲を断つことも求められます。このように、宗教的には厳しいルールもありますが、家族や友人と日没直後の食事(イフタール)を楽しんだり、賑やかな夜の町を散策したりといった、お祭りのような要素もあります。多くのイスラム教徒は、毎年ラマダンを楽しんでいます。

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トルコ・イスタンブールのスルタンアフメット広場に集まりイフタールを楽しむ人々(アナドール通信)

さて、ラマダン中に、特にイスラム教徒が多い地域に滞在することになった場合、どのような点に注意する必要があるでしょうか?

まず、白昼堂々飲食するといった、不必要にイスラム教徒を刺激する行動は控えるべきです。国によっては、刑事罰に問われる可能性もあります。また、中東駐在経験のある邦人テロ対策室員によると、特に日没直前には、お腹をすかせたドライバーが猛スピードで車を運転していることもあり、交通事故に遭うリスクにも留意する必要があるとのことです。

さらに、残念なことではありますが、ラマダン月やその前後には、イスラム過激派によるテロの脅威が高まる傾向があります。日本人7人を含む20人以上が亡くなった2016年のバングラデシュ・ダッカ襲撃テロ事件も、ラマダン月に発生しています。同テロ事件を引き起こした「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」は、昨年のラマダンに際しても、世界中の戦闘員や支持者に対して攻撃を呼びかける声明を発出しており、実際、世界各地で多くのテロが発生しました。このような状況を踏まえ、邦人テロ対策室からは、広域情報(ラマダン期間中の海外渡航・滞在に関する注意喚起)を発出していますので、ぜひご一読ください。

ラマダン期間中に海外への出張や旅行を計画されている皆様は、現地の文化・風習を楽しみつつも、自らを守るための安全対策にも十分注意していただくよう、よろしくお願いします。

ゴルゴ13からの伝言

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今週のチェックリスト

今週のチェックリストは、「滞在中チェックリスト」の「1.テロ・治安情勢に係る情報収集/分析・評価」(外務省作成『ゴルゴ13の海外安全対策マニュアル』p.136)です。安全対策のための情報収集のヒントがこちらに・・・

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